東大数学参考書

このページでは東大二次試験の数学の対策用の参考書を紹介しています。

 数学に関しては、苦手な人も得意な人もいると思います。苦手な人は数学はとりあえず下の参考書のレベル1だけやり、他の教科でカバーすることを考えましょう。東大入試は合計点で勝負すればよいのです。得意な人はレベル3までやり、数学を得点源としましょう。なお、以下の参考書と並行してやるのがお薦めなのがZ会です。じっくりと考えることで思考力がつき、しばらく続けるうちに実力が付いてきます。採点者にとってわかりやすい答案づくりのコツも添削を通じてマスターすることができます。Z会の大学受験コースの東大数学は難しいですが、良問揃いなので、数学を得点源にしたい人にはお薦めです。

東大数学について

 理系: 試験時間は150分で、6つの大問があり、1問20点の120点満点です。文科との共通問題もあります。図形問題と微積の問題は頻出です。よくある問題がそのまま出ることはまずなく、しっかりとした理解力・思考力が必要です。ただし毎年一問は必ず易問が出題されるので、その問題は絶対に解けるようにしましょう。そこで合否が分かれる可能性があります。
 文系: 試験時間は80分で、4つの大問があり、1問20点の80点満点です。 分野をまたいだ複合的な問題が出題され、近年では計算力が要求される問題の出題があります。日頃から面倒な計算も怠らずにミスなく計算できるようにしましょう。

レベル別実力養成用参考書

レベル1(基礎固め用の参考書)

赤チャート

えっ、青チャートじゃないの?と思うかもしれませんが、私は青チャートよりも赤チャートを基礎固めの参考書としてお勧めします。青チャートでも基礎は固められるのですが、レベル2の参考書との間にややギャップが生じてしまいます。赤チャートでは基本レベルからやや応用レベルまで、様々な問題が網羅されており、基礎固めの参考書としては最適だと考えます。この参考書は解法暗記用として使うので、最初から問題を解ける必要はなく、どんどん解法を暗記していきましょう。もちろんこまめに復習し、最終的には自分で解けるようにしましょう。例題と練習問題は必ずやりましょう。章末問題はやらなくてよいです。難易度が高く、時間がかかってしまいます。章末問題に時間をかけるより、例題と練習問題の復習に時間を割くべきです。

1対1対応の演習

この参考書は赤チャートをやったあとにやるとよいでしょう。難易度的には赤チャートとあまり変わりませんが、赤チャートに比べ、いろいろな場面で応用でき解答時間を短縮できるエレガントな解法が載っています。この参考書も解法暗記用として使うとよいでしょう。まずは例題の問題とエレガントな解答を読み、次に解答を隠して自力で例題が解けるかやってみます。解けたら下の演習問題で、例題で身につけた解法が応用できないかを考え、解いてみます。考えてもわからなければ解答を見て、理解しながら暗記し、例題同様再び解いてみましょう。

レベル2(標準レベルの参考書)

新数学スタンダード演習

この参考書は赤チャートや1対1対応の演習で身につけた解法を使って問題を解いていく練習をするための参考書です。赤チャートや1対1対応の演習の復習が不十分ですとなかなか進むのに時間がかかってしまうので、きちんと復習を終えてから使うようにしましょう。効率よく現役合格のための勉強をするためには復習が本当に大事です。面倒くさがらずに何度も復習しましょう。難易度別にアルファベットが書いてありますが、AとBを中心にやり、Cは余裕があればやれば良いです。一問につき最低でも10分は考え、それでも解法が思いつかなければ解答を見て解法暗記をしましょう。

解法の探求・確率

この参考書は確率が苦手な人が苦手意識を克服する、あるいは得意な人がさらに実力をアップさせるためのものです。原則編では、場合の数と確率に関して非常に説明が詳しく書かれています。原則編で、私もそうでしたが、確率に対するあやふやなところがしっかり理解できるようになるでしょう。時間に余裕がある場合は、演習編もやるとよいです。発展編は、解答を眺めるだけでも結構楽しめると思われる、有名な問題が付いています。

マスター・オブ・場合の数

これは場合の数に苦手意識を持つ人にお勧めな参考書です。「場合の数」の様々な手法を、様々なタイプの問題を通じて着実に身につけることができます。なお、やるのは第1部のみで十分です。第3部や第4部には非常に難易度の高い問題が載っていますが、場合の数が好きで好きでたまらない人以外はやる必要はありません。東大数学対策としては第1部のみでOKです。

レベル3(発展レベルの参考書)

マスター・オブ・整数

この参考書は整数問題を極めたい人向けです。かなりレベルが高いことまで書いてあるので、数学をこよなく愛するひとには満足できる書だと思います。初めのほうは様々なパターン別に多くの問題が載っているので、典型的な整数問題に触れたいと考えている人にもお薦めです。整数問題はどれだけでもいろんな問題が出てくるので、数学で満点を取ろうと考えている人以外は整数問題対策はそれほどしなくてもよいでしょう。 1対1対応の演習/数学I に載っている整数問題ができるようになればよいです。

新数学演習

この参考書には東大入試と同等レベルの良問が多く載っています。まずはAとBの問題をやっていくとよいでしょう。余裕があればCもやります。この参考書を攻略すれば東大数学で満点を取ることも可能です。ただ、実力が不十分な人がこれをやってもあまり効果はありません。東大数学で満点近く狙う人はやってみる価値のある本です。

月刊 大学への数学

数学がかなり得意で、かつ時間的に余裕がある人は、この本でとにかく数学を楽しみましょう。学力コンテスト(通称学コン)に参加し、全国のライバルと戦ってみるのも面白いかもしれません。成績優秀者として名前が載るのを目指しましょう。

解答作成力強化参考書

予備校の出している問題集

上で紹介した参考書を用いた学習が終わったら、予備校の出している予想問題集で演習しましょう。意外と予備校の出している予想問題集の存在を知らない人も多いのですが、類題が本番で出題されることもあり、是非やっておきたい問題集です。比較的簡単な、代ゼミのものを最初にやるとよいです。時間がなければ代ゼミのはやらず、河合と駿台のものをやりましょう。河合と駿台のものは絶対やっておくべきです。特に河合のものは解説が詳しく、いろいろと勉強できると思います。解答の際、本番を意識して、無地のノートに解答を書くようにするとよいでしょう。

過去問研究

東大数学で過去問と同じ問題が出ることはまずありません(ごくまれに大昔の問題の類題が出題されることはあります)ので、解法を暗記しつつ実力をつけるには、予備校の出している予想問題集をやるのがいいと思います。ただし、敵を知るという意味で、過去問の研究も必要です。とはいっても、膨大な量の過去問をやって自分で傾向を完全に把握するというのは大変です。その必要は実はないのです。長年東大数学の問題を解き続け、傾向をかなり把握しているプロが存在していて、そうした人が執筆している、過去問集の最初のほうに載っている「傾向と対策」のようなものを見るのが手っ取り早く、効率的だと思います。そのために、過去問集を買っておくのがいいと思います。全部解く必要はあまりないのです。過去問集として有名なものに教学社の赤本と駿台予備校の青本がありますが、両方買っておくと異なる解法の解答がみられて、解法のツールを増やすのに役立つと思います。

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