東大物理参考書

このページでは東大二次試験の物理の対策用の参考書を紹介しています。

 東大物理は東大化学とは異なり、公式等の暗記のみでは太刀打ちできません。過去問を見ればわかるように、東大は毎年受験生にとっては初見の問題を出してきます。(年によっては参考書等で見たことのある標準的な問題が出題されることもありますが、その時にはミスをすることなく完答しなければなりません。)一見問題の設定が複雑なために公式しか暗記していない人にとってはお手上げ状態になってしまうかもしれません。実際には基本的なことを問うているにすぎないのですが、表面的な理解のみでは難しく見えてしまうのです。東大物理の制覇のためには、本質に基づいた理解が必要です。以下でそのために必要な参考書を紹介します。なお高3の方にはZ会の大学受験コースの東大物理もお薦めです。東大入試と同様、見慣れない問題でありながら本質を理解していれば解ける問題を提供してくれます。

東大物理について

 試験時間は化学、あるいは生物と合わせて150分です。3つの大問からなり、第一問は力学、第二問は電磁気学、そして第三問は波動または熱力学から出題されます。波動と熱力学は交互に出される傾向があります。配点は60点です。初見の問題が多く、本質が分かっていれば解けますが、物理の上っ面の理解のみで解こうとすると解けなくなってしまいます。解答用紙は模試やZ会をやれば分かるように、レポート用紙のような、横線だけが書いてある独特なものになっています。化学と同様、3つの大問の解答スペースは両面1枚の解答用紙にあり、大問ごとに解答の場所が決められているので、解答場所にはくれぐれも注意して下さい。模試の問題等を見れば分かると思いますが、大問は複数ページにわたってあり、ページによっては大問番号が分かりづらくなっているのです。解く順番を大問番号順にしない場合があると思いますが、間違えやすいので、注意して下さい。

参考書

物理のエッセンス力学・波動

いくら本質が重要とは言え、まずは最低限の知識を身につけなければなりません。学校の授業や問題集で基礎を固めればよいですが、この参考書を適宜参照し、分かりにくい所を理解していくとよいでしょう。特にわかりにくい波動も、まずはこの本で理解できるようにしましょう。

物理のエッセンス電磁気・熱・原子

物理のエッセンス力学・波動の姉妹版です。特に電磁気は理解しにくいと感じる人が多いと思いますので、この本で理解できるようにするとよいでしょう。なお、原子分野は東大入試の範囲外なのでやる必要はありません。ただ、原子分野の内容を知らなくても解ける、原子を題材にした問題は出る可能性があります。(詳しくは東京大学入学者募集要項を見て下さい)

実戦物理I・II重要問題集

この参考書には多くの良問がついています。まずはA問題をやりましょう。次にB問題をやるわけですが、中には難易度のかなり高い問題が含まれているので、解説を読んでもあまりよくわからない問題はだれかに質問するか、あるいは解説が理解できて他の問題にも解法が応用できそうな問題のみをやって、難しすぎて応用性のない問題は無視していきましょう。

新・物理入門

この参考書は、公式を振り回すのではなく、微積分を用いて物理を体系的に学べる本です。次に紹介する新・物理入門問題演習と共に使うと効果的でしょう。何度も読んで理解できるようになると、どんな入試問題を見ても、物理の基本的な原理を問うているに過ぎないことが分かるようになります。パターン主義からの脱却には不可欠な書です。

新・物理入門問題演習

この参考書は具体的な問題演習を通して、新・物理入門の内容を理解し、物理の本質をつかめるようになるための本です。初めは微積を使った解法になかなかなじめないかもしれませんが、そのうちになれるでしょう。公式を振り回す、回りくどい方法から脱却できます。

理論物理への道標

この参考書は簡単にいえば新・物理入門問題演習の河合塾版です。物理の問題の、微積を用いた本質的な解法が載っています。題材には東大の過去問や東大オープンの過去問が含まれており、解き甲斐のある良問が多く載っています。また、大学で習うことも書かれており、物理をとことん理解したい、学びたいという人には特にお薦めです。楽しみながら物理の本質を理解できる、良書といえるでしょう。

難問題の系統とその解き方

この参考書は名前には「難問題」と書いてありますが、標準的な良問が多く載っています。例題だけをやればいいです。演習問題には解説がほとんどないからです。新・物理入門問題演習理論物理への道標と異なり、解答は微積を使わない方法で解いてありますが、新・物理入門問題演習理論物理への道標を一通り終えた人は微積を使ったシンプルな解き方で解いてかまいません。微積を使った解き方が嫌な人は、新・物理入門問題演習理論物理への道標の代わりにこの本を使えばいいでしょう。

予備校の出している予想問題集

参考書を用いた学習が終わったら、予備校の出している予想問題集で演習しましょう。模試の過去問が掲載されており、良問ばかりです。比較的簡単な、代ゼミのものを最初にやるとよいです。時間がなければ代ゼミのはやらず、河合と駿台のものをやりましょう。河合と駿台のものは絶対やっておくべきです。特に河合のものは解説が詳しく、いろいろと勉強できるでしょう。また、Z会の大学受験コースの東大物理もお薦めです。本質を突く問題にたくさん当たることができ、解答用紙も本番に近いもので練習できます。

過去問研究

過去問は参考書や予備校等の授業でやっていないものを選んで、時間を計ってやるとよいでしょう。初見の問題に対して、いかに冷静にして解けるか、その練習をするのに使いましょう。「傾向と対策」も要チェックです。物理の問題で、微積を使った解法が好きな人は、過去問集として是非駿台の青本を買ってみてください。教学社の赤本とは異なる解法を学ぶことができます。

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